三題咄し(読み)さんだいばなし

精選版 日本国語大辞典 「三題咄し」の意味・読み・例文・類語

さんだい‐ばなし【三題噺・三題咄】

  1. 〘 名詞 〙 落語の一種。客から任意に三つの題を出させ、それを織り込んで、その場で一席の落語にするもの。
    1. [初出の実例]「何だ、三題噺(さんダイバナシ)をしろ、べらぼうめ高座でなくっちゃあ出来ねえわ」(出典歌舞伎・三題噺高座新作(髪結藤次)(1863)二幕)

三題咄しの語誌

( 1 )初代三笑亭可楽が、文化元年(一八〇四)六月に下谷広徳寺門前の孔雀茶屋の夜講で「弁慶、狐、辻君」の三題を聴衆から得、即座に演じたのが始まり。
( 2 )古典落語の名作とされる「鰍沢」や「芝浜」も三題噺として創作されたもの。歌舞伎狂言戯作にも新しい趣向を提供し、幕末、明治時代初期の文学にも大きな影響を与えた。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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