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上げ潮派 あげしおは

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知恵蔵2015の解説

上げ潮派

経済と財政の関係において、財政(国家)が、経済(市場)に介入することを少なくすること(金融緩和規制緩和、「小さな政府」)で経済を成長させ、成長率が上がれば税収も自然増となり、消費税の税率を上げなくても財政が再建されるとする立場。「改革なくして成長なし」をスローガンとした小泉政権の構造改革を継承する立場と言える。「上げ潮」の名前は、1990年代にアメリカエコノミストが出版した『The Rising Tide(上げ潮)』に由来するが、小泉内閣時に自民党政調会長であった中川秀直が、2006年10月に『上げ潮の時代』を出版し(当時は安倍内閣の幹事長)、世間に広まった。歴史的には「上げ潮派」の源は、ケインズ主義国家財政を肥大化させ市場の活性力を奪ったことに対し、イギリスサッチャー政権(1979~90年)やアメリカのレーガン政権(81~88年)が新自由主義で市場を活性化させる政策(サッチャリズムレーガノミックス)を採用したことに始まる。日本では中曽根政権(82~87年)の国鉄など三公社の民営化や橋本政権(96~98年)の行財政改革を経て、小泉政権(2001~06年)の構造改革に至るという流れになる。反対派からは、市場原理主義で、格差を拡大させたという批判もあるが、中川秀直は「成長路線こそ格差是正の良薬」と反論している。08年9月の自民党総裁選では、経済政策をめぐって、「財政再建派(増税派)」「上げ潮派(構造改革派)」「積極財政派(バラマキ派)」の三つに分かれた。小池百合子石原伸晃が、「上げ潮派」の立場から出馬し、小泉元首相も小池支持を表明したが、財政出動を主張する麻生太郎に敗れ、同派の退潮も取りざたされた。しかし、アメリカの住宅バブル崩壊後の世界的な金融危機の現状においては短期的な財政出動が必要と考えている経済学者やエコノミストも、長期的には構造改革が必要と考えている。

(高橋誠 ライター / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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