上ノ加江村(読み)かみのかえむら

日本歴史地名大系 「上ノ加江村」の解説

上ノ加江村
かみのかえむら

[現在地名]中土佐町上ノ加江

上ノ加江本村ともいい、五所川ごしよのがわと上ノ加江川の両岸一帯に開けた村。東は海に面し、三方は山を負い、北に大津おおつ崎、南に加江崎が突出して上ノ加江湾を形成。火打ひうちもり(五九〇メートル)が村の西北隅に屹立し、近海出漁の船舶の目標となっている。戦国時代まで上ノ加江南部一帯を領していた平田氏の祖は、元暦元年(一一八四)七月一九日に源氏と最後の戦いをした伊勢平氏残党平田太郎家継と伝える。西海に敗走した家継は加江崎に雲井くもい城を築いて拠点とし、一条氏の時代にはその麾下にあって五四将の一人に数えられたという。上ノ加江の西北部は久礼くれ床鍋とこなべ(現窪川町)方面から進出してきた佐竹氏の領地で、永禄元年(一五五八)佐竹義秀は上ノ加江の字汐満しおみちに居館を構えた。義秀は館に平田氏を招いて討ち、その所領を併合したといわれる。

天正一六年(一五八八)の上賀江村地検帳には地積九六町八反余、ヤシキ一三〇筆が記されるが、このなかには近世に上ノ加江村の枝郷となった押岡おしおか篠葉ささば小草こぐさの三ヵ村分が含まれる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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