国指定史跡ガイド 「上ノ塚古墳」の解説
じょうのづかこふん【上ノ塚古墳】
福井県三方上中郡若狭町脇袋にある古墳。若狭地方における最大の前方後円墳で、4世紀末から5世紀前葉に造られた。膳部(ぜんぶ)山の西側山麓に7基あったと伝えられる脇袋(わきぶくろ)古墳群中最大で、全長約100m、後円部径約64m、前方部長約48m、3段築成で北面する。原形をよくとどめており、かつての周濠の存在も確認できることなどから、1935年(昭和10)に国の史跡に指定された。若狭の前方後円墳は現在17基が確認されており、西塚古墳・上ノ塚古墳・中塚古墳・上船塚古墳・下船塚古墳の5基は、同年に国の史跡に指定されている。中国や朝鮮半島から渡ってきた出土品も数多く、石室が露出した円墳も見学可能で、出土品は若狭町歴史文化館で見ることができる。JR小浜線上中駅から徒歩約30分。