上山氏館跡(読み)うえやましやかたあと

日本歴史地名大系 「上山氏館跡」の解説

上山氏館跡
うえやましやかたあと

[現在地名]上野市東高倉

医王寺いおうじ東出ひがしでにかけて上屋敷・下屋敷が連なり、下屋敷は現上山氏住宅。上屋敷中央部を国鉄が東西に走り、現在は水田化した堀跡を確認するのみであるが、東西四八間、南北六〇間、中央郭の平地がほぼ方一〇〇メートルに近く、伊賀随一の中央郭である。国鉄が通るまでは南側の堀三五間、北側の堀二五間と土塁があったという。

周辺、とくに南西の堀跡地域から土符が出土する。土符は縦六―八センチ、横四―五センチの素焼陶片で上部に小穴があり、表面に米・馬・銭・人などの文字と花押、裏面年月日が陰刻されており、出土地域は南は守田もりた町、北は三田みた、西は服部はつとり町西部に限られ、東高倉ひがしたかくらが最も多く、上山氏宅跡からは集中的に出土し、現在約七〇数個が確認される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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