上差の矢(読み)ウワザシノヤ

デジタル大辞泉 「上差の矢」の意味・読み・例文・類語

うわざし‐の‐や〔うはざし‐〕【上差の矢】

えびらなどに差した矢のほかに、別形式の矢を1、2筋差し添えたもの。うわや。
「この負ひたる胡簶やなぐひの―を一筋」〈今昔・二七・四三

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精選版 日本国語大辞典 「上差の矢」の意味・読み・例文・類語

うわざし【上差】 の 矢(や)

  1. 平胡簶(ひらやなぐい)壺胡簶(つぼやなぐい)、箙(えびら)などに盛った矢の上に、別形式の矢を一筋または二筋差し添えたもの。征矢(そや)に対しては、狩矢(かりや)である狩股(かりまた)の鏃(やじり)をつけた鏑矢(かぶらや)を用い、狩矢を盛った狩箙(かりえびら)には征矢を上差しとする。平胡簶や壺胡簶では矢篦(やがら)を斜めに筈(はず)を下げて差しこむので落し矢ともいう。うわざし。うわや。
    1. [初出の実例]「此の負たる胡録の上差の箭を」(出典:今昔物語集(1120頃か)二七)

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