がら(読み)ガラ(その他表記)Galla

デジタル大辞泉 「がら」の意味・読み・例文・類語

がら[副]

[副]
すっかり。まったく。
駄賃はみんな、うらが呑んでしまって、―おま(=馬)に食わせべいもなあなし」〈滑・膝栗毛・二〉
ひょいと。つい。
「―誘はれたあからのこんだあよ」〈洒・軽井茶話〉

がら

《「から(殻)」の音変化》
鶏などの肉を取り去ったあとの骨。煮て、だしを取る。
品質の悪いコークス。また、石炭の燃え殻中のコークス状のもの。

ガラ【GALA】[書名]

日本の同人詩雑誌。西脇順三郎安藤一郎村野四郎、北園克衛らが昭和26年(1951)に創刊。昭和30年(1955)4月までに全11冊を刊行して終刊

ガラ(gala)

祭典。お祭りのための特別興行。ガーラ。「ガラコンサート」
[補説]書名別項。→ガラ

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精選版 日本国語大辞典 「がら」の意味・読み・例文・類語

がら

  1. 〘 副詞 〙
  2. 全く。残らず。すっかり。がらい。がらら
    1. [初出の実例]「駄ちんはみんなうらが呑でしまって、がらおまにくわせべいもなアなし」(出典:滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)二)
  3. つい。ひょいと。がらい。がらら。
    1. [初出の実例]「『アゼはあそんだら追分の松屋サいかっしゃりました』『そりゃアはあおらが悪ゐでも有べへがガラさそはれたアからの事だアよ』」(出典:洒落本・道中粋語録(1779‐80頃))

がら

  1. 〘 名詞 〙 ( 「から(殻)」の変化した語 )
  2. 軸物で、中の書または画を取り去り、表装だけになったもの。〔通人語辞典(1922)〕
  3. 品質のよくないコークス。また、石炭のもえがらの中に残っているコークス状のもの。
  4. 鶏などの肉を取り去ったあとの骨。だし材料とする。
  5. 魚の粗(あら)。〔和訓栞後編(1887)〕

がら

  1. 〘 名詞 〙
  2. 魚「おいかわ(追河)」の異名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕
  3. 魚「かさご(笠子)」の異名。〔随筆・嬉遊笑覧(1830)〕
  4. 魚「かつお(鰹)」の異名。

がら

  1. [ 1 ] 〘 副詞 〙 ( 多く「と」を伴って用いる ) 物のくずれ落ちる音、また、雑然としたさまを表わす語。
  2. [ 2 ] 〘 接頭語 〙 ( 人を表わす名詞や、個人名の上に付けて ) がさつな、または、おしゃべりであけっぴろげな、などの意味を添える。「がらっ」の形をもとる。「がらむすめ」「がらっぱち」など。

がら

  1. 〘 名詞 〙 ( 多くの札を箱に入れて、がらがらと振り出すところからいう ) 競馬の札の一種。馬の名を指定しないで、くじ引きのように当たりはずれをきめるもの。
    1. [初出の実例]「元来何所の競馬にも二種の賭あり。一をガラと称へて」(出典:風俗画報‐三五五号(1907)人事門)

ガラ

  1. 〘 名詞 〙 かつて印刷に用いられた、薄い金属板に、電気めっきを施して作った電気版。原版から取った型(マザー)にめっきを施し、裏に鉛合金などを流し込んで厚みをつけたもの。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「がら」の意味・わかりやすい解説

ガラ
がら
Galla

エチオピア南部のシダモ地方を中心に居住する民族で、オロモOromoと自称する。エチオピア最大の民族集団で、周辺集団を加えると総人口5800万人(1997)の4割にも達する。エチオピア人種に属し、ハム系のクシ諸語に属するガラ語を話す。代表的なハム系民族で、イスラム教を信仰しており、エチオピアの支配的民族でキリスト教化したセム系のアムハラ人とは多くの点で対立する。以前はソマリア低地に住んでいたが、16世紀中ごろソマリア人に追われてエチオピアの高地に移住し、エチオピア南部のほぼ全域を占拠した。その後、各地で小王国を築いたが、20世紀初めにエチオピア帝国へ吸収された。もともとウシ、ウマ、ヒツジラクダなどを飼う牧畜民であり、現在は大部分農耕民として定着しているものの、ウシの飼育には力を入れている。ガダとよばれる円環型の年齢階梯(かいてい)組織をもつことで有名。これは高度に発達した軍事・政治組織で、部族のすべての男子成員は8年ごとにくぎられた年齢集団に属し、それぞれの集団に戦士、政権担当などの役割が付与されている。

[片多 順]

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知恵蔵 「がら」の解説

ガラ

元はフランス語で「特別な催し」「社交界のお祭り」の意。従ってバレエ・ガラといえば特別バレエ公演。大勢のスター・ダンサーが競演し、それぞれソロやパ・ド・ドゥを披露する。

(鈴木晶 舞踊評論家 / 2008年)

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とっさの日本語便利帳 「がら」の解説

ガラ

大暴落のこと。「瓦落」から転じたといわれ、よほどの急激な暴落でない限りこうは呼ばない。

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報

世界大百科事典(旧版)内のがらの言及

【泡盛】より

…泡盛の酒器に提子(ひさげ)に似た〈酎家(ちゆうかあ)〉と〈からから〉がある。前者は鹿児島県で〈ちょか〉,後者は鹿児島県で〈からから〉,熊本県球磨地方で〈がら〉と呼ばれる。なお,本土の米焼酎,いも焼酎,麦焼酎などは,すべて泡盛のもろみを酒母としてつくられている。…

【酒器】より

…これに対して,銚子を簡略化した燗鍋は直接火にかける直燗の容器であった。また九州では焼酎を温めて飲むことが多く,鹿児島や沖縄では土瓶形をした〈ちょか〉,熊本県球磨地方では平たいフレスコ形に長い注ぎ口をつけたような〈がら〉と呼ぶ酒器があり,いずれも直接火にかけて用いている。 なお,野外での遊宴などに酒や水を携える場合に,竹筒または筒形の容器が用いられ,これを〈ささえ(小筒,竹筒)〉とか吸筒(すいづつ)と呼んだ。…

【鶏肉】より

…(3)正肉 部分肉から骨,腱を取り除いたもの。(4)その他 ささみ(深胸筋),きも(肝臓と心臓)とすなぎも(筋胃と腺胃),皮,あぶらとがら(小肉を取り除いた骨),もつ。 鶏肉の脂肪の脂肪酸構成はオレイン酸,リノール酸,パルミチン酸がおもなもので,構成脂肪酸の不飽和度が高くきわめて軟質である。…

※「がら」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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