コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

鏑矢 かぶらや

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

鏑矢
かぶらや

鏑 (鳴鏑) は柄 (やがら) の先の (やじり) につける道具。木,竹または角でつくり,かぶら (蕪) の形に似た長円形で,中を空洞にし,3~8個の穴をあけ,矢を射ると穴が風を切って鳴り,その響きによって相手を射すくめるもの。を雁股 (かりまた) ,鏃につけた矢を鏑矢また鳴鏑矢という。野矢の一種。古墳時代中期以降に現れた。『古事記』『万葉集』に「比米加夫良」「鳴鏑」の名がみえる。嚆矢 (こうし) ,鳴箭 (めいせん) ともいう。 (→ )  

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

大辞林 第三版の解説

かぶらや【鏑矢】

鏑をつけた矢。普通は、雁股かりまた・平根ひらねなど大形の鏃やじりをつけた上差しの矢に用いる。鳴り矢。鳴り鏑。鏑。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

鏑矢
かぶらや

矢の一種、篦(の)(矢幹)の先に球形状の木または鹿(しか)の角を中空とし、前方に数個の孔(あな)をうがった鏑というものをつけた矢。これが飛翔(ひしょう)すると孔に風を受け鋭い音響を発する。その形が蕪(かぶら)に似ていることから蕪矢とも、また音を発することから鳴鏑(なりかぶら)、鳴矢(なりや)、鳴鏑矢(なりかぶらや)、響矢(なりや)、嚆矢(こうし)とも書くことがある。その作り方は矢束を通常よりやや長めとし、筈(はず)(ぬた)筈、矢羽は四立(四枚羽)、鏑の先に走り羽と直角になるように雁股(かりまた)を割根(わりね)にすげる。笠懸(かさがけ)や犬追物(いぬおうもの)には、鏃(やじり)をつけない鏑の一種である蟇目(ひきめ)(引目)を用いた。嚆矢が開戦の合図を意味したように鏑矢は古く北方アジア騎馬民族が信号用として使用していたらしい。日本でも古墳からの発掘品や正倉院宝物にこれが残されており、源平の合戦描写にもしばしば使用する場面が描かれている。[入江康平]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の鏑矢の言及

【鳴鏑】より

…《史記》匈奴伝に,匈奴が鳴鏑を用いることがみえるが,東北アジアでは早くから流行していた。高句麗の輯安舞踊塚には,狩猟に鏑矢を用いている壁画がある。日本にも古墳時代中期以降に朝鮮を経て伝わっていた。…

【矢合】より

…その意味で矢合は開戦の口火を示す宣戦布告の表現であった。矢合にさいして,まず敵陣に向かって鏑矢(かぶらや)が射られた。これを矢合の鏑始めと称した。…

※「鏑矢」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

鏑矢の関連キーワード福島県田村市船引町東部台市川 雷蔵(8代目)矢合わせ・矢合せ鏑矢伊勢宮方記蟇目の神事征矢・征箭八つ目鏑度会常昌矢羽根文上矢の鏑矢合はせ觘目の鏑鏑始め流鏑馬鳴る矢ネズミ平根胡籙合戦火矢

今日のキーワード

いい夫婦の日

11月22日。通商産業省(現経済産業省)が制定。パートナーへの感謝の意を示し、絆を深める。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

鏑矢の関連情報