上沢渡村
かみさわたりむら
[現在地名]中之条町上沢渡
中之条より草津(現草津町)へ至る暮坂峠東麓の村で、下沢渡村の西にある。暮坂峠より東へ流れる細尾川は、北方より流入する不動沢・五輪沢・牧場沢・唐松沢などの支流を集めて蛇野川となり、反下川と合流して上沢渡川となる。村内は蛇野川の谷にある大岩・湯などと、反下川の谷にある上反下などの小字に分れる。暮坂峠の麓に細尾岩陰遺跡(縄文早期)・有笠山遺跡(弥生)などがある。三国山系の白砂山に続く山地が迫り、山間を小渓谷に分つ。これを沢とよぶが、さわたりの地名をここに求める説もある。「万葉集」巻一四の東歌に収める「左和多里の手児にい行き逢ひ赤駒が足掻を速み言問はず来ぬ」の「左和多里」を当地とする説もある。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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