上田布施村(読み)かみたぶせむら

日本歴史地名大系 「上田布施村」の解説

上田布施村
かみたぶせむら

[現在地名]田布施町大字上田布施

千坊せんぼう(二九八・七メートル)の東麓に広がる丘陵の村。田布施川の支流が東流、流域に集落が点在する。上関宰判に属した。

中世は、多仁たに庄のうちの一部であったと思われる。建治二年(一二七六)六月の官宣旨(平岡定海氏所蔵文書)に「周防国多仁庄田布施村内字上田布施・真殿」とみえる。「棚守房顕手記」大永五年(一五二五)二月二二日条に「能美孫三郎若輩成る、御幡ヲ心懸テ取上ル事非類ナシトテ、防州於田布施五十貫足ノ所領被遣ル、世上ノ覚ヘ有難事也」とみえる。

田布施村の中世末より近世への変遷を「注進案」は「八ケ国の御時田布施・波野之内海にて寺家田と申処大潮満干有之、此所を唐戸の迫門と申候由然共惣浅海にして干潟の地多く、依之天正十三年御当職佐世長門守(元嘉)様御見分之上御開作被仰付、田布施惣高三千七百石余ニ相成申候を慶長年中御検地有之五千三百石相成申候」と記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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