上行性脊髄麻痺(読み)じょうこうせいせきずいまひ(その他表記)ascending spinal paralysis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「上行性脊髄麻痺」の意味・わかりやすい解説

上行性脊髄麻痺
じょうこうせいせきずいまひ
ascending spinal paralysis

ランドリー麻痺ともいう。 1859年,フランスの医師ランドリー (1826~65) が報告したもの。発熱頭痛四肢痛などのあとに,下肢から左右対称性に麻痺が起り,数日間で急速に上行して躯幹上肢にいたり,最終的には頭蓋筋も侵される疾患。原因としては,急性感染性多発神経炎 (ギラン=バレー症候群) ,急性伝染性単球増加症,ポルフィリア,ジフテリア,急性特発性肝炎,結節性動脈周囲炎,中毒性ニューロパチーなどがあげられる。膀胱直腸障害はまれであるが,肋間筋と横隔膜が麻痺するために,呼吸困難や嚥下困難が起る。2~3週間以内に病状が安定し,麻痺の進行が止る。

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