上道郷(読み)かみつみちごう

日本歴史地名大系 「上道郷」の解説

上道郷
かみつみちごう

和名抄刊本の郡名の項に「加无豆美知」の訓がある。郷域については、現岡山市域に含まれる近世の祇園ぎおん中原なかはら今在家いまざいけから脇田わいた湯迫ゆば国府市場こくふいちば雄町おまち中井なかい各村の地域に比定されている。当郷は郡名と一致し、また吉備一族の雄族の上道氏の氏名に一致するところから、上道郡の中心的役割を担い、律令制期前後の上道氏の本拠であったと考えられている。推定郷域内には、縄文晩期から平安期にかけての複合遺跡で、弥生時代の高床倉庫・井堰・墓地,奈良・平安期の柵列や柱穴などの遺構の検出された雄町遺跡、古墳時代終末期の全長約九・一メートルの横穴式石室をもち、切石に近い巨石を用いている唐人塚かろうどづか古墳、飛鳥期に創建され白鳳・天平期を通じて整備された賞田しようだ廃寺などの重要な遺跡がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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