上那賀町(読み)かみなかちよう

日本歴史地名大系 「上那賀町」の解説

上那賀町
かみなかちよう

面積:一七五・二七平方キロ

那賀郡の中央に位置し、正方形に近い形をしている。東は相生あいおい町、北は勝浦かつうら上勝かみかつ町と木沢きさわ村、西は木頭きとう村、南は海部かいふ海南かいなん町、南東は同郡日和佐ひわさ町と接する。町域は四国山地の南東部、那賀川の上・中流地域にある。中央を那賀川が東流し、西から海川谷かいかわだに川、じようだに川、坂州木頭さかしゆうきとう川、菖蒲谷しようぶだに川、古屋谷ふるやだに川など大小多くの支流が流れ込んでいる。那賀川に沿って国道一九五号が東西に走る。国道一九三号は出合であいから北へ分岐し坂州木頭川沿いに木沢村へ向かい、平谷ひらだにから南へ分岐し成瀬なるせ川・海川谷川に沿って霧越きりごえ峠を越えて海南町に至る。那賀川には長安口ながやすぐちダムがあり、上流部に長安口貯水池が広がっている。さらに上流の白石しらいしには蔭平かげひら発電所がある。

縄文時代早期の遺跡として古屋岩陰ふるやいわかげ遺跡がある。古代には北東部は那賀郡に属していたと考えられ、「和名抄」にみえる那賀郡山代やましろ郷に含まれるという説がある。中世は那賀山なかやま庄に含まれていたとみられる。文明八年(一四七六)六月一五日の仁宇郷公事銭注文(徴古雑抄)には、はいきゅう(拝宮)・ひま(日真)小浜こはま・おんだに(音谷)桜谷さくらだに・臼元谷(臼ヶ谷か)などの地名がみえ、それぞれに公事銭が課されていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報