上野国群馬郡簑輪軍記(読み)こうずけのくにぐんまぐんみのわぐんき

日本歴史地名大系 「上野国群馬郡簑輪軍記」の解説

上野国群馬郡簑輪軍記(簑輪軍記)
こうずけのくにぐんまぐんみのわぐんき

二巻

解説 箕輪城の攻防戦と落城を記した軍記作者は不詳。長野氏領下の僧侶と思われる。下巻の奥書には「永禄六年甲子二月廿二日」とあるが、内容より推して一七世紀以後の成立。内容は、甲斐武田信玄が西上野に発向して箕輪城(城主長野業政)を落すまでの合戦記であるが、落城年を永禄六年二月とするなど誤りが多く(実際には永禄九年)、総じて信憑性に乏しい。城主長野父子の勇猛を称賛する一方、武田軍の非道を儒教的倫理観から批判する傾向が強く、武田信玄が服属しない「千部原」の寺院を「切支丹にもあらんや」と決めつけて焼払う記述など、近世的な色彩が濃い。

活字本群書類従二一・「群馬県史料集」第三巻

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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