下上(読み)おりのぼる

精選版 日本国語大辞典 「下上」の意味・読み・例文・類語

おり‐のぼ・る【下上】

〘自ラ四〙
① 高い所と低い所の間を降りたり上ったりする。昇降する。
※竹取(9C末‐10C初)「この国の海山より龍はをりのぼるものなり」
中古、宮仕えする人が、主上、あるいは貴人御前に出仕し、その後、私室に退く。御前と私宅の間を往復する。
紫式部日記(1010頃か)寛弘七年一月一日「宮たちの〈略〉おりのぼらせ給ふ儀式、見ものなり」
③ 都と地方の間を行ったり来たりする。往復する。
平家(13C前)七「彼広嗣は肥前松浦より都へ一日におりのぼる馬をもちたりけり」

おり‐のぼり【下上】

〘名〙
① おりることと、のぼること。高い所から下ったり、低い所から上がったりすること。のぼりおり。
蜻蛉(974頃)中「一丁のほどを、石階おりのぼりなどすれば」
宮中や貴人に仕える人が出仕し、また退出すること。
※とりかへばや(12C後)上「うちにまゐりたまひては、おりのぼりの御かしづきのほどに」
③ 都から地方へ、地方から都へ往復すること。のぼりくだり。
愚管抄(1220)六「仲章と云者、使してをりのぼりしつつ」

さげ‐あげ【下上】

〘名〙 江戸時代、一七、八歳から二一二歳までの官女の結った髪の一種。笄(こうがい)を利用して椎茸髱(しいたけたぼ)になり、笄を抜くと下髪(さげがみ)となるようにしたもの。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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