下士(読み)カシ

デジタル大辞泉 「下士」の意味・読み・例文・類語

か‐し【下士】

下士官」の略。
身分の低い武士。下級武士。⇔上士

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精選版 日本国語大辞典 「下士」の意味・読み・例文・類語

か‐し【下士・下子】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 教養、品性の低い人。
    1. [初出の実例]「仮令、雑木なんどの花をば、田夫、野人等の面白と見ん事、是、下子(カシ)の見風なるべし。上三花を面白やと見んは、上子の見風也」(出典:拾玉得花(1428))
    2. [その他の文献]〔老子‐四一〕
  3. 身分の低い武士。⇔上士
    1. [初出の実例]「兵卒より下士、上士、佐官将官に上るなり」(出典:将来之日本(1886)〈徳富蘇峰〉一二)
    2. [その他の文献]〔孟子‐万章・下〕
  4. かしかん(下士官)」の略。
    1. [初出の実例]「軍人の内将校下士及び右同等の輩を称して之を武官と云ふ」(出典:軍制綱領(1875)〈陸軍省編〉一)

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普及版 字通 「下士」の読み・字形・画数・意味

【下士】かし

下級の士。

字通「下」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の下士の言及

【土佐藩】より

…忠義の三男一安は江戸に麻布山内家を興し,子孫は本藩収納米のうちから1万石を分与されて,定府(じようふ)大名の土佐新田藩主となった。土佐藩士の身分は,家老,中老,馬廻(うままわり),小姓組,留守居組,郷士,用人,徒士(かち),足軽,武家奉公人等に分かれ,留守居組以上を上士(じようし),郷士以下を下士(かし)と称したが,のちその中間に白札身分が派生した。上士のほとんどは,藩祖一豊に従って来国した家系を誇り,高知の郭中に集住した。…

【武士】より

…中世においては,とくに後期に,複数の武士(の家)が平等者として結合する一揆という集団が発達していたが,近世では,これが消滅し,君主(の家)が圧倒的優位の地位に立つ主従制的結合体と,だれ一人として平等者の存在しない徹底した身分階層制的結合体へと編成替えされた。武士身分は,まず大きく,上士と下士の2階層に分かれる。上士は馬に乗って戦闘する本来の意味での士,下士は徒(歩兵)に由来し,両者の間には,ことばづかいの違い,通婚関係の不存在など,後年,福沢諭吉が〈人種の異なるもの〉とのべたほどの差別があった。…

※「下士」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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