上士(読み)ジョウシ

デジタル大辞泉 「上士」の意味・読み・例文・類語

じょう‐し〔ジヤウ‐〕【上士】

徳があり、すぐれた人。
身分の高い武士。⇔下士
菩薩ぼさつ異称

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精選版 日本国語大辞典 「上士」の意味・読み・例文・類語

じょう‐しジャウ‥【上士・上子】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 教養、品性の高い人。
    1. [初出の実例]「上三花を面白やと見んは、上子(ジャウシ)の見風也」(出典:拾玉得花(1428))
    2. [その他の文献]〔老子‐四一章〕
  3. この上もない達人
    1. [初出の実例]「音曲の上士と申さんは、五音・四声より、律呂相応たるべし」(出典:申楽談儀(1430)音曲の事)
  4. 身分の高い武士。⇔下士(かし)
    1. [初出の実例]「藩士銘々の分限がチャント定(き)まって、上士(ジャウシ)は上士、下士は下士と、箱に入れたやうにして」(出典:福翁自伝(1899)〈福沢諭吉王政維新)
    2. [その他の文献]〔孟子‐万章下〕
  5. ( 「しょうし」とも ) 仏語。菩薩の異称。

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普及版 字通 「上士」の読み・字形・画数・意味

【上士】じよう(じやう)し

すぐれた人。〔老子、四十一〕上士はを聞きてはめて之れを行ひ、中士はを聞きては存するが(ごと)くするがく、下士はを聞きては大いに之れを(わら)ふ。はざれば以てと爲すに足らず。

字通「上」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の上士の言及

【土佐藩】より

…忠義の三男一安は江戸に麻布山内家を興し,子孫は本藩収納米のうちから1万石を分与されて,定府(じようふ)大名の土佐新田藩主となった。土佐藩士の身分は,家老,中老,馬廻(うままわり),小姓組,留守居組,郷士,用人,徒士(かち),足軽,武家奉公人等に分かれ,留守居組以上を上士(じようし),郷士以下を下士(かし)と称したが,のちその中間に白札身分が派生した。上士のほとんどは,藩祖一豊に従って来国した家系を誇り,高知の郭中に集住した。…

【武士】より

…中世においては,とくに後期に,複数の武士(の家)が平等者として結合する一揆という集団が発達していたが,近世では,これが消滅し,君主(の家)が圧倒的優位の地位に立つ主従制的結合体と,だれ一人として平等者の存在しない徹底した身分階層制的結合体へと編成替えされた。武士身分は,まず大きく,上士と下士の2階層に分かれる。上士は馬に乗って戦闘する本来の意味での士,下士は徒(歩兵)に由来し,両者の間には,ことばづかいの違い,通婚関係の不存在など,後年,福沢諭吉が〈人種の異なるもの〉とのべたほどの差別があった。…

※「上士」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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