下奥玉村(読み)しもおくたまむら

日本歴史地名大系 「下奥玉村」の解説

下奥玉村
しもおくたまむら

[現在地名]千厩町奥玉おくたま

千厩村の北、北東から南西へ流れる千厩川(奥玉川)沿いにある。奥玉の地名の由来については神亀三年(七二六)坂本宿禰という者が鶴ヶ峰つるがみね(現大東町)から宝珠を掘り、大野東人に献じたところ興玉おきたまの地名を与えられ、その後訛って奥玉となったと伝え、宝珠を地に埋めて祀った興玉社が現在の桜森さくらもり神社の始まりといわれる(安永五年桜森伊勢祠碑)。古くは摺沢するさわ(現大東町)まで奥玉の中であったが、安和年中(九六八―九七〇)鶴ヶ峰を含む摺沢が奥玉から分れたと伝える。

鎌倉前―中期のものと推定される年月日欠の二階堂氏知行注文断簡(二階堂文書)に「陸奥国奥玉保」とみえ、幕府御家人二階堂氏領であったことがわかる。正応四年(一二九一)八月一五日、坂上国長は「おくたまのほうない」における任務を「かみ」のために忠実に行うことを誓っている(「坂上国長起請文」金沢文庫古文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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