下東西遺跡(読み)しもとうざいいせき

日本歴史地名大系 「下東西遺跡」の解説

下東西遺跡
しもとうざいいせき

[現在地名]前橋市青梨子町

榛名はるな山南麓に広がる扇状地形の末端に位置する。調査は昭和五五年(一九八〇)と同五八年に実施された。奈良・平安時代の竪穴住居跡などが二百数十軒、掘立建物跡が二十数軒、さらに中世遺構などが検出された。奈良時代の遺構形態の特殊さに、この遺跡の特色があり、竪穴住居跡では二つの住居跡が通路的な溝で連結された例、平面L字形の竪穴住居跡、三方に張出しをもつ竪穴住居跡などが存在した。掘立建物群は、東限の大溝から西方に十数軒が平行・直交した形で存立し、要所を柵・小溝で区画され、官衙的な配置を呈していた。しかし、一般官衙遺構と大きく異なるのは、生活の場である竪穴住居跡と、公的な掘立建物跡が同じ区画内に、相互を意識しながら併存する点にあり、両者の共存は私的な色彩が強いものと推定された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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