官人の交替に際し,後任国司の監査の結果,前任国司に解由状を発給できない場合に作成される文書。官物や施設備品などの欠負未納,無実破損などの勘出項目とその理由,それに対する前任者と後任者の主張を記載し,共署する。初見は800年(延暦19)9月12日の官符であるが,上述の形式が整い,勘判の資料として機能する制度的な成立は807年(大同2)4月6日の官符によるとされる。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
…その間,国司交替の際に解由状を発給するか否かをめぐるトラブルが増大し,正常な交替が行われにくくなった。このため,交替引継ぎにあたって発見された租税未納や,国司管轄下の建造物・兵器その他の破損などを列記し,それについての新旧国司の言い分を記載した不与解由状を作成して太政官に上申し,勘査をうける方式が一般化しつつあった。また解由制度の対象も国司から官人全般に拡大され,あらゆる官人交替にあたって解由状の授受が行われることとなった。…
※「不与解由状」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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