不動精子(読み)ふどうせいし(その他表記)spermatium

日本大百科全書(ニッポニカ) 「不動精子」の意味・わかりやすい解説

不動精子
ふどうせいし
spermatium

紅藻植物子嚢(しのう)菌類と原生担子菌類にみられる雄性配偶子のことで、鞭毛(べんもう)や繊毛などの運動器官をもたない。紅藻植物の場合、水中に放出された精子は水中を漂って雌性生殖器官から突出した受精毛に到達する。子嚢菌類では、造嚢器から複数細胞からなる受精毛が伸びて精子に達する。原生担子菌類では、昆虫などによって運ばれる。

吉崎 誠]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android