不安の概念(読み)ふあんのがいねん(その他表記)Begrebet Angest

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「不安の概念」の意味・わかりやすい解説

不安の概念
ふあんのがいねん
Begrebet Angest

キルケゴールがウィギリウス・ハウフニエンシス (「コペンハーゲンの夜警番」の意) の筆名で,1844年に発表した書物。キルケゴールは,無垢な人間がどうして罪あるものとなるかという問いから出発して,人間が罪あるものとなる質的飛躍を心理学的に分析し,不安こそが罪に先行する心理状態であり,心と肉体,時間と永遠を総合する精神的存在者としての単独者の根本状態にほかならないという。しかしこの不安は,同時に自由の可能性であり,単独者は不安のうちにとどまることによって信仰へと育成され,摂理のなかに安らうことができると説かれる。

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