家庭医学館 「不当軽量児」の解説
ふとうけいりょうじ【不当軽量児 Light for Dates Infant】
在胎(ざいたい)週数から予測される体重より体重が少ない、胎内発育遅延(たいないはついくちえん)状態の胎児(たいじ)をいいます。母親側の原因としては重症妊娠高血圧症候群(重症妊娠中毒症)が、胎児側の原因としては染色体異常などが考えられます。在胎週数相当の体重の早産児(そうざんじ)(相当重量児(そうとうじゅうりょうじ))に比べて、やせて生まれます。
妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)や多胎の場合に不当軽量児になるのは、胎内での栄養の供給が足りないためです。グリコーゲンの貯蔵が少ないと出生後のストレスに対応しきれず、低血糖となりやすいのです。しかし、肺はむしろ成熟しているため、同じ在胎週数で生まれた赤ちゃんより出生後の呼吸障害は軽くてすみます。
重症の場合は慢性的な低酸素状態になるため、多血症や心不全、胎便栓(たいべんせん)症候群などをおこしやすくなります。