動悸(どうき)、発汗、脱力、意識レベルの低下などの症状があり、通常、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が70mg/dL未満の場合、低血糖と診断される。糖尿病の治療薬(血糖降下薬)の副作用としておこることが多いが、ホルモンの異常や胃の手術後など、他の原因の場合もある。
[和栗雅子 2024年10月17日]
薬の種類や用量の誤り、食事の遅れ、食事摂取量が少ない、強く長い身体活動、体内のホルモンの異常によるもの、手術で胃を切除した後やアルコールの影響、栄養失調状態、サプリメント服用、肝不全、腎(じん)不全、心不全などでもおこることがある。
[和栗雅子 2024年10月17日]
血糖値が60mg/dL以下になると交感神経刺激症状(発汗、不安、動悸、頻脈、手指のふるえ、顔面蒼白(そうはく)など)が、50mg/dL程度に低下すると中枢神経症状(頭痛、目のかすみ、空腹感、眠気など)、さらに50mg/dL以下になると意識レベルの低下、異常行動、けいれんなどが出現し、昏睡(こんすい)に陥る(ただし、症状の現れ方には個人差がある)。
[和栗雅子 2024年10月17日]
上記の低血糖症状があり、通常、血糖値が70mg/dL未満の場合、低血糖と診断する。血液検査で血液中のホルモン(インスリンなど)の値や肝臓・腎臓などの機能を調べる。腹部CT(コンピュータ断層撮影)でホルモンの異常をおこしうるような特殊な腫瘍(しゅよう)がないかどうか調べる。
[和栗雅子 2024年10月17日]
意識がはっきりしており、経口摂取が可能であれば、ブドウ糖やブドウ糖を含む飲料を摂取する。ブドウ糖の摂取によっても改善しない場合は、医療機関を受診して治療を受ける。
意識がない場合は、救急車をよぶと同時に、ブドウ糖を口唇の裏に塗る(意識がない人の口に、無理やり水分を流し込むことは誤嚥(ごえん)のもとになり、危険であるため)。医療機関では、低血糖の原因を調べ、原因にあった治療や予防法で対応が行われる。
なお、糖尿病患者の家族が使用できる応急処置用の薬剤(血糖値を上昇させるグルカゴン製剤)もあり、従来は注射薬のみであったが、近年、点鼻薬も使用できるようになった。
[和栗雅子 2024年10月17日]
高齢者や自律神経障害を伴う場合では、自覚症状がないまま意識消失などの重篤な低血糖に至る「無自覚性低血糖」がおこることがある。重症低血糖は認知症、心血管疾患発症、死亡の危険因子となる。
[和栗雅子 2024年10月17日]
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報
…血糖がこのように正常時に調節されている変動幅を超えて上昇または下降した場合は病的状態である。前者を高血糖,後者を低血糖と呼ぶ。
[高血糖]
高血糖の代表的疾患が糖尿病である。…
…むしろ,運動はブドウ糖の組織への取込み・利用を促進し,またインシュリン感受性をも増大させ,非常に有益である。ただし,激しい運動は低血糖をもたらす危険性があるので,あらかじめそれに見合うカロリーを補給しておくほうがよい。毎日,規則正しく運動することが望ましい。…
※「低血糖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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