不感地帯(読み)フカンチタイ

デジタル大辞泉 「不感地帯」の意味・読み・例文・類語

ふかん‐ちたい【不感地帯】

地理的な要因によって無線電波が届かない場所。特に、携帯電話圏外のこと。不感地区

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「不感地帯」の意味・わかりやすい解説

不感地帯
ふかんちたい

無線電波の届かない領域。本来の意味は、電波が電離圏に反射し、さらに遠くまで届く場所との間に生じた、電波の空白の領域をさす。また、警察、消防、行政無線が受信できない場所も不感地帯とよばれるが、現在では、携帯電話の電波が届かない地帯をさすことが多い。この場合には、携帯基地局の不足、基地局どうしの干渉、建物による障害などが原因となる。鉄道のトンネル内、高層ビルの陰、ビルなどの建物の内部、山岳地帯が代表的な例である。携帯電話による通信は、社会インフラにおいて大きな影響力をもつようになり、総務省や各自治体など行政機関では、不感地帯の解消に向けた方策と整備計画の検討に努めている。その一つが2009年(平成21)に総務省が開催した「携帯電話エリア整備推進検討会」である。具体的な方策としては、衛星などを使った無線伝送路を確保する、無線基地局を増設する、有線伝送路と、これにつながる小型無線基地局をきめ細かく配置する、無線基地局の指向性を変える、無線基地局どうしの干渉を細かく制御することなどがあげられる。

[編集部]

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