与兵衛沼(読み)よへえぬま

日本歴史地名大系 「与兵衛沼」の解説

与兵衛沼
よへえぬま

[現在地名]仙台市蟹沢

小田原おだわらの東西に幾筋か走る谷間に造られた人工溜池。面積三万一〇〇〇平方メートル、貯水量二万トン。仙台市内ではただ一つ人名のついた沼で、与平沼ともいう。「塩松勝譜」に蟹沢かにさわに与兵衛沼という堤があるとみえるが、鈴木与兵衛という造成者の名にちなんで命名された堤である。堤の北は鬱蒼たる松林松茸の産地、薪の豊富な地であると記される。「封内風土記」によれば小泉こいずみ村のうちで、小泉・燕沢つばめざわ小鶴こづる三ヵ村の用水として利用されていた。沼東畔の小さな水神碑に「与兵衛堤者 寛文十一年鈴木与兵衛依公許所開」と刻んである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android