苦竹(読み)ニガタケ

精選版 日本国語大辞典 「苦竹」の意味・読み・例文・類語

く‐ちく【苦竹】

  1. 〘 名詞 〙 植物まだけ(真竹)」の古名
    1. [初出の実例]「苦竹黮、茶樹成林」(出典参天台五台山記(1072‐73)一)
    2. [その他の文献]〔白居易‐琵琶行〕

にが‐たけ【苦竹】

  1. 〘 名詞 〙 ( 竹の子苦味があるところから ) 植物「まだけ(真竹)」または「めだけ(女竹)」の異名
    1. [初出の実例]「にがたけ。命とて露を頼むにかたければ物わびしらに鳴く野辺の虫〈在原滋春〉」(出典:古今和歌集(905‐914)物名・四五一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の苦竹の言及

【竹細工】より

…飯塚琅玕斎(いいづかろうかんさい)(1890‐1958)や生野祥雲斎(しようのしよううんさい)(1904‐74)らは伝統の継承と現代的な展開を図った代表的竹工芸家である。
[素材と製法]
 日本に産する竹で通常利用されるものに,マダケ(真竹,苦竹(にがたけ)),メダケ(女竹),ネマガリダケ(根曲竹),モウソウチク(孟宗竹),ハチク(淡竹),ホテイチク(布袋竹,五三竹),シホウチク(四方竹),ゴマタケ(胡麻竹),クロチク(黒竹,紫竹(しちく),烏竹(うちく)),ヤダケ(矢竹),斑竹(はんちく),雲文竹(うんもんちく),煤竹(すすだけ)(苦竹,メダケなどの煤けたもの)などがある。 まず竹は丸竹物として,その素材のままの姿で利用される。…

※「苦竹」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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