…写本には3巻本,6巻本,8巻本があるが,これは本文のちがいではなく,記事の少ない東松本,千葉本などと,増補されたらしい流布本の差のほうが重要だろう。 序文のなかで,この作品の内容は,雲林院(うりんいん)の菩提講で講師の登壇を待つ間に,そこで出会った老翁,190歳ばかりの大宅世継(おおやけのよつぎ)と180歳ばかりの夏山繁樹(なつやまのしげき)が,自分たちの歴代摂関・一の人についての見聞を語り,30歳ほどの青侍が口をはさんで質問し,会衆が耳をそばだてて聞いたもの,という趣向に仕組まれており,それが以後の鏡物共通の構造となった。《今鏡》《水鏡》《増鏡》など,みなそうなっている。…
※「世継」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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