中の戸(読み)ナカノト

デジタル大辞泉 「中の戸」の意味・読み・例文・類語

なか‐の‐と【中の戸】

部屋と部屋との間にある戸。
大将の君なほしきて、―を押し開けて」〈宇津保・蔵開中〉
清涼殿萩の戸藤壺上御局うえのみつぼねとの間にある戸。
「蔵人参りて御物おもの奏すれば―より渡らせ給ふ」〈二三

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精選版 日本国語大辞典 「中の戸」の意味・読み・例文・類語

なか【中】 の 戸(と)

  1. [ 一 ] 間の戸。部屋と部屋の中間にある戸。
    1. [初出の実例]「ひめ宮にも、なかのとあけて、きこえん」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)
  2. [ 二 ] 清涼殿北廂の東第一間と第二間との間の戸。萩の戸と藤壺の上局の境の戸をいう。
    1. [初出の実例]「蔵人まゐりて御膳(おもの)奏すれば、なかの戸よりわたらせ給ふ」(出典枕草子(10C終)二三)

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