中万村(読み)ちゆうまむら

日本歴史地名大系 「中万村」の解説

中万村
ちゆうまむら

[現在地名]松阪市中万町

櫛田くしだ川中流左岸にあり、北は下蛸路しもたこじ村、西は射和いざわ村に接し、南は同川を隔てて多気たき荒蒔あらまき(現多気町)に対し、東は同川を隔てて兄国えくに(現多気町)に面する。「和名抄」に飯野いいの乳熊ちくま郷がみえ、中万は乳熊の転訛と考えられる。

天暦七年(九五三)二月一一日付近長谷寺資財帳(近長谷寺文書)に「飯野郡中万郷宮守村在垣内壱処」とみえ、四至は「東福田寺朱雀道限 南限大道 西神祖父麻呂治田限 北卯西畔道」と記される。承保三年(一〇七六)一一月二三日付東寺領伊勢国大国庄司解案(東寺百合文書)に「信通権禰宜号中万寺領庄、田畠二町伍段余妨領」とあり、東寺領川合かわい(現多気郡)荘田の一部が神宮権禰宜によって「中万寺領庄」と号して押領されたことを伝えている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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