中嶋随流(読み)なかじま・ずいりゅう

朝日日本歴史人物事典 「中嶋随流」の解説

中嶋随流

没年:宝永5.2.11(1708.4.1)
生年:寛永6(1629)
江戸前期,貞門派の俳人。京都の人。名は勝直。通称は源左衛門。別号は松月庵ほか。山本西武門。京都河原町通三条上ルに住み,点者を業とした。『誹家大系図』に「即吟ニ達シ,回文ヲ善ス」とあるが,作品よりも,論客として知られる。俳人評判記の『花見車』に「只意地のわるひ君にて,人のかげごとよういはんす」と評されるごとく,談林派の俳人に対し,何度も論戦を挑んだ。なかでも堀江林鴻著『京羽二重』に対しては,版元絶版を申し入れ,部分的削除をさせ,さらに論難書『貞徳永代記』(1692)を著している。<参考文献>潁原退蔵「俳諧論戦史」(『潁原退蔵著作集』4巻)

(加藤定彦)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

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