潁原退蔵(読み)エバラタイゾウ

デジタル大辞泉 「潁原退蔵」の意味・読み・例文・類語

えばら‐たいぞう〔‐タイザウ〕【潁原退蔵】

[1894~1948]国文学者。長崎の生まれ。京大教授。江戸文学、特に俳諧研究。著「俳諧史の研究」「江戸時代語の研究」など。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「潁原退蔵」の意味・読み・例文・類語

えばら‐たいぞう【潁原退蔵】

  1. 国文学者。文学博士。長崎県五島出身。京都帝国大学卒。同大学教授。近世文学、特に俳諧研究の第一人者。著「俳諧史の研究」「江戸文芸論考」「江戸時代語の研究」など。明治二七~昭和二三年(一八九四‐一九四八

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

20世紀日本人名事典 「潁原退蔵」の解説

潁原 退蔵
エバラ タイゾウ

昭和期の国文学者 京都帝国大学教授。



生年
明治27(1894)年2月1日

没年
昭和23(1948)年8月30日

出生地
長崎県南松浦郡

学歴〔年〕
東京高師国語漢文科〔大正6年〕卒,京都帝大文学部〔大正10年〕卒

学位〔年〕
文学博士

経歴
大正6年兵庫県立第二神戸中学教諭となったが、同年9月京都帝大に入り、大学院を経て、昭和3年同大講師、6年助教授となった。この間、同志社大学、神戸高女で教え、京都府立医科大学教授を歴任した。11年病気で退職したが16年再び京大講師、23年助教授、死後教授となった。近世文学、特に俳諧史に造詣が深かった。著書に「俳諧史の研究」「俳諧史論考」「俳諧精神の探究」「芭蕉俳句新講」「江戸文芸論考」、用語研究でも「江戸時代語の研究」「川柳雑俳用語考」などがあり、編著に「蕪村全集」がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「潁原退蔵」の意味・わかりやすい解説

潁原退蔵
えばらたいぞう
(1894―1948)

国文学者。長崎県五島の生まれ。長崎師範学校、東京高等師範学校を経て1921年(大正10)に京都帝国大学卒業。28年(昭和3)京大講師。47年文学博士。翌年教授。蕪村(ぶそん)に始まりやがて近世文学全般に研究領域を広げ、その実証的研究の学風は多くの門下生に受け継がれて、近代的な江戸時代文学研究の基礎が築かれた。『蕪村全集』『俳諧(はいかい)史の研究』『俳諧精神の探求』『江戸時代語の研究』ほか多数の編著がある。

[櫻井武次郎]

『『潁原退蔵著作集』全20巻(1979~80・中央公論社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「潁原退蔵」の解説

潁原退蔵 えばら-たいぞう

1894-1948 昭和時代の国文学者。
明治27年2月1日生まれ。藤井乙男(おとお)に師事し,近世文学を専攻。「蕪村全集」を編集し,俳諧(はいかい)史研究に業績をのこす。母校京都帝大の助教授となり,昭和23年8月30日の死去と同日付で教授。55歳。長崎県出身。俳号蕪子。著作に「俳諧史の研究」「俳諧精神の探究」「江戸時代語の研究」など。平成20年,生前作成した語彙(ごい)カードをもとに「江戸時代語辞典」(尾形仂(つとむ)編,21年毎日出版文化賞)が刊行された。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「潁原退蔵」の意味・わかりやすい解説

潁原退蔵
えばらたいぞう

[生]1894.2.1. 長崎,五島
[没]1948.8.30. 京都
国文学者。東京高等師範学校を経て京都大学国文科卒業。文学博士。京都大学教授。佐々政一,藤井乙男の指導を受け,俳諧を中心に江戸文学全般に造詣が深く,多くの後進を育てた。主著『俳諧史の研究』 (1933) ,『俳諧史論考』 (1936) ,『江戸文芸論考』 (1937) ,『俳諧精神の探求』 (1944) ,『江戸時代語の研究』 (1947) ,『芭蕉俳諧新講』『川柳雑俳用語考』など。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android