中御門郷(読み)なかみかどごう

日本歴史地名大系 「中御門郷」の解説

中御門郷
なかみかどごう

正応四年(一二九一)二月の東大寺年預五師の寺家文書勘渡状(東大寺文書)に、中御門郷民石王丸の名がみえ、中御門町の地は一四世紀末から現れる東大寺七郷の一と考えられる。嘉元二年(一三〇四)の有徳人注文(東大寺文書)では、今小路いまこうじの中御門に上層の有徳人(富裕郷民)のいたことが知られる。建武二年(一三三五)一二月二〇日には東大寺五師所は中御門郷八幡講神楽料米田納所職について縁浄法師の訴訟を裁許している(東大寺文書)。また「経覚私要鈔」文安四年(一四四七)四月四日条に「今朝東大寺中御門在家十余間焼之、自古市方押寄焼之由沙汰云々」とあり、「大乗院雑事記」応仁三年(一四六九)四月二四日条に「衆中進発在之、転害中御門郷筒井披官人云々」とみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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