朝日日本歴史人物事典 「中沼左京」の解説
中沼左京
生年:天正7(1579)
江戸初期の興福寺一乗院門跡諸大夫。初名は喜多川与作,のちに元知と称した。初め近衛信尹に仕え,その推挙によって中沼家を継いで,一乗院尊覚法親王の諸大夫となる。夫人は大名茶人として知られる小堀遠州の妻の妹,弟は能書で知られた石清水八幡宮の社僧松花堂昭乗。子の元辰は昭乗の法嗣となって乗淳を名乗った。これらの縁などから,当時の文化人たちとの交流も盛んで,小堀遠州,金森宗和,片桐石州や,その他の茶会記にその名がみえている。
(谷端昭夫)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報