中立化(読み)ちゅうりつか(その他表記)neutralization

翻訳|neutralization

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「中立化」の意味・わかりやすい解説

中立化
ちゅうりつか
neutralization

国家中立化と国家以外の一定の地域や水域の中立化に分けられる。国家の中立化は永世中立化とも呼ばれ,いかなる戦争に際しても中立を維持し,みずからいかなる国家に対しても戦争を行わないことを条約によって義務づけることであり,その国家を永世中立国とすることである。同盟条約相互援助条約のような条約を結んだり,他の国家に軍事基地を提供することはできないが,軍備を保有することはある。おもな例として現存するのはスイスオーストリアおよびラオスのみである。一定の地域あるいは水域の中立化とは,戦争に際して,その地域あるいは水域を交戦区域から除外することを関係諸国が合意することをいう。スイスに接する上部サボア地方の一帯の 1815~1919年にいたる中立化,スエズ運河の中立化 (1888) などは,その例である。以上のほかに,条約による一定の地域の武装禁止 (非武装化) ,あるいは国際機関の営造物や職員に対し,その所在地が交戦区域となった際にも中立国にあるのと同じ取扱いをする国際的合意も中立化と呼ぶことがある。 (→永世中立 )

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