中野 いと(読み)ナカノ イト

20世紀日本人名事典 「中野 いと」の解説

中野 いと
ナカノ イト

江戸時代末期〜昭和期の民権運動家 遠陽婦女自由党総理。 昭和59年NHK大河ドラマ「獅子の時代」の主人公のモデル。



生年
安政3年4月10日(1856年)

没年
昭和4(1929)年12月25日

出生地
遠江国浜松(静岡県浜松市)

旧姓(旧名)
松原

経歴
浜松藩士の娘として生まれる。明治13年浜松で私塾を開いていた民権運動家中野二郎三郎と結婚。自身も自由民権運動に加わり、16年自由党の資金集めを主な目的として遠陽婦女自由党を組織し、その総理となる。19年自由党員による箱根離宮竣工式襲撃未遂事件(静岡事件)で夫が逮捕されると、上京して髪結いなどをしながら資金を稼ぎ、夫とその同志の救援活動に当たった。その間、20年に夫と入籍。夫が北海道集治監に移されると、22年自らも北海道に渡り、夫たちを激励した。30年大赦で釈放された夫ともに帰京。43年大逆事件で夫の同志であった奥宮健之死刑になると、その遺族の世話に力を尽した。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報