朝日日本歴史人物事典 「久我具房」の解説
久我具房
生年:暦仁1(1238)
鎌倉中期の公卿。大納言通忠の子。系図類では通基の弟となっているが,実は2歳年長の兄。初名雅良,次いで雅緒。文永5(1268)年,31歳で参議に任じ公卿に列する。一方通基は13年も前に,16歳で公卿になっていた。通基の母は北条義時の孫に当たると思われるので,鎌倉幕府の威を重んじて弟の通基が家嫡にたてられたのではないか。文永11(1274)年,具房は左大弁を兼ねた。清華家出身の人としては極めて珍しい例で,実務能力に富んでいたことがわかる。亀山上皇に重用され,権大納言まで昇進した。東寺担当の公卿でもあった。なお通基は伏見天皇の即位をまって村上源氏の氏長者に任じられている。
(本郷和人)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報