愛宕(読み)アタゴ

精選版 日本国語大辞典 「愛宕」の意味・読み・例文・類語

おたぎ【愛宕】

  1. [ 一 ] 山城国(京都府)の郡名。洛北から洛東にわたる地域で、北は山城国境、東は東山連峰に至り、西は鷹ケ峰、雲ケ畑、南は泉涌寺(せんにゅうじ)に及んだ。平安奠都(てんと)以前には、平安京左京大半をも含んでいたようである。おたぎのこおり。おたぎぐん。
  2. [ 二 ] 上代、中古、律令制下における愛宕郡内の郷名。位置については二説あり、明らかでない。いずれにしても、平安京の葬送地の一つであった。おたぎのさと。
  3. [ 三 ] 山城国乙訓(おとくに)郡の別名か。〔高山寺本和名抄(934頃)〕

あたご【愛宕・阿多古・愛宕護】

  1. [ 一 ]あたごやま(愛宕山)[ 一 ]
  2. [ 二 ]あたごごんげん(愛宕権現)」の略。
    1. [初出の実例]「如此申事八幡、愛宕、九万八千の軍神も御照覧」(出典大友記(17C前)石松源五郎立花の城に参らるる事)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の愛宕の言及

【地蔵盆】より

…〈京の町々地蔵祭あり,一町一組年寄の家幕を張り,地蔵尊を安置し,いろいろ備へ物をかざり,前には灯明挑灯を出し,家の前には手すりをつけ,仏壇の前に通夜して酒もりあそべり,伏見辺,大坂にいたりて,またこれに同じ〉。 また,地蔵盆は愛宕(あたご)の祭りでもあった。愛宕の本地が地蔵であるためである。…

※「愛宕」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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