大納言(読み)だいなごん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

大納言
だいなごん

(1) 律令制における太政官官職の一つ。左・右大臣の次に位置し,大臣とともに政事にあずかり,大臣不在のときは,政務をとりしきった。天皇に近侍して,奏上,宣下のことをおもな職掌とした。『大宝令』では定員4人であったが,のち増減があった。大化改新後おかれた御史大夫 (ぎょしたいふ) が大納言の前名である。

(2) 明治2 (1869) 年7月8日職員令の制定により,太政官に設けられた官職。左・右大臣の下にあり,参議とともにその職を補佐し,可否を献替,宣旨を敷奏することを任とした。定員は3名,相当位は従二位。同4年7月 29日の官制改革の際大納言は廃され,正院に,太政大臣に次ぐ官職として「納言」という名称をとどめたが,それも同8月 10日の改革で左・右大臣と改められた。

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デジタル大辞泉の解説

おおい‐ものもうすつかさ〔おほいものまうすつかさ〕【大言】

だいなごん(大納言)1」に同じ。

だい‐なごん【大納言】

律令制で、太政官(だいじょうかん)の次官。大臣に次ぐ官で、正三位相当。大臣とともに政務に参与し、大臣不参のときは代行した。亜槐(あかい)。亜相。おおきものもうすつかさ。
明治初期の太政官制における官職。左右大臣・参議とともに太政官を構成した。
大納言小豆(あずき)」の略。

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百科事典マイペディアの解説

大納言【だいなごん】

令制の太政官(だいじょうかん)の官職名。大臣に次ぐ身分で,大臣,中納言らと律令国家の政務運営に当たった。大宝令(たいほうりょう)では定員4名(定員は時代により増減),正三位(しょうさんみ)相当官。中世以降は名誉職化。
→関連項目紀古佐美中納言中山忠親山科家

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世界大百科事典 第2版の解説

だいなごん【大納言】

令制の太政官の官職名。大臣に次ぐ身分で,大臣,中納言らと律令国家の政務運営に当たった。大宝令では定員4名,正三位相当官の公卿で,職田20町,食封800戸,従者として資人100人が給された。制度上の初見は天智朝の官制のときで,初め御史大夫(ぎよしたいふ)と称した。定員は時代によって増減があり,権官の任命も行われた。中世以降は栄誉化し,近衛中・少将を経て大納言を最高位とする貴族の家を羽林家(うりんけ)と称した。

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大辞林 第三版の解説

おおいものもうすつかさ【大納言】

だいなごん(大納言)」に同じ。 〔和名抄〕

だいなごん【大納言】

律令制で、左右大臣に次ぎ太政官の次官にあたった役職。大臣とともに政務を審議し、天皇への奏上や宣下をつかさどった。おおいものもうすつかさ。
明治の太政官制の官職。1869年(明治2)設置、71年廃止。
アズキの栽培品種。粒が暗赤色で大きい。大納言あずき。尾張あずき。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

大納言
だいなごん

(りょう)制官職の一つ。太政官(だいじょうかん)の次官(すけ)。和名では「おおいものもうすつかさ」と読み、唐名は亜相(あしょう)、門下侍中(もんかじちゅう)、黄門監(こうもんげん)という。定員は4人で、相当位は正三位。その職務は、大臣とともに国政を参議し、天皇に近侍して政務について奏上し、勅命を宣下する要職である。この職は唐では門下侍中の役にあたる。侍中は門下省の長官で、尚書(しょうしょ)省の尚書令(れい)、中書省の中書令と同格であるが、わが国で唐制を採用する際、尚書省に相当する太政官の次官に格下げした。705年(慶雲2)定員2人を減じて、かわりに中納言3人を置いた。その後758年(天平宝字2)官名を御史大夫(ぎょしたいふ)と改めたが、藤原仲麻呂(なかまろ)没後の764年旧に復した。
 明治政府は、1869年(明治2)太政官(だじょうかん)制の官職として左右大臣、参議とともにこれを再置したが、71年廃止した。[渡辺直彦]

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世界大百科事典内の大納言の言及

【御史大夫】より

…671年(天智10)1月に蘇我果安,巨勢人,紀大人が任じられた。近江令での大納言の官名とする説もある。次に養老令施行下の淳仁天皇時代の大納言の官名。…

【少納言】より

…この納言は天皇に近侍して,天皇の命令を臣下に宣し,臣下の意見を天皇に奏することを任とした。飛鳥浄御原令(689施行)の官制で納言は大納言中納言,小納言に分けられた。しかし701年(大宝1)の大宝令の官制では中納言が廃止され,大納言には侍奉官,奏宣官の任とともに議政官としての権能が付与されたが,小納言改め少納言は侍奉官,奏宣官にとどめられた。…

※「大納言」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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