久松(読み)ひさまつ

精選版 日本国語大辞典 「久松」の意味・読み・例文・類語

ひさまつ【久松】

[1] 浄瑠璃歌舞伎登場人物。大坂瓦屋橋油屋の丁稚(でっち)で、主家の娘お染と心中する。→お染久松
[2] 〘名〙 ((一)が子飼いの丁稚であるところから、小買いにかけたものか) 物を小買いにすること。また、小売りにすること。
洒落本・穴可至子(1802)「『多葉粉まで貰いす物かへ』『そんなら久松だろう』」

ひさまつ【久松】

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の久松の言及

【お染久松色読販】より

…1813年(文化10)3月江戸森田座初演。油屋お染(町家の娘)・丁稚久松(若衆)・久松の姉竹川(奥女中)・お染義母貞昌尼(町家の後家)・土手のお六(悪婆(あくば))・お光(田舎娘)・賤の女お作(百姓女房)を5世岩井半四郎,松本屋左四郎・鬼門喜兵衛を5世松本幸四郎,百姓久作・猿回しを7世市川団十郎。亡父が紛失したお家の重宝吉光の刀を詮議している浅草瓦町の質店油屋の丁稚久松と油屋の娘お染との恋をめぐって生じてくるさまざまな出来事を,江戸市井の風俗描写にからめつつ喜劇味豊かに展開させた作品。…

【新版歌祭文】より

…2巻。角書〈おそめ久松〉。近松半二作。…

※「久松」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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