久田上原村(読み)くたかみのはらむら

日本歴史地名大系 「久田上原村」の解説

久田上原村
くたかみのはらむら

[現在地名]奥津町久田上原

吉井川左岸にあり、対岸黒木くろぎ村。北は河内こうち村、南は久田下原村。文明一三年(一四八一)九月五日の山名政之注進状(古文書)によれば、伯耆守護山名政之に追われた山名元之は「作州久多庄」に逃れている。永禄(一五五八―七〇)頃と思われる一一月一九日の三浦貞尚感状(美作古簡集)に「久田表」とあり、美甘助右衛門が朝駆けの功を賞されている。当地は毛利氏と宇喜多氏争奪の対象となり、天正九年(一五八一)毛利側の中村頼宗は五月二八日武本又三郎に「久田之内坂手源之丞給重定志水分延々三石分」を(中村頼宗宛行状)、九月一七日桜井久次郎に「久田地頭分之内一番頭五石前安国名壱石六斗利近壱石五斗」を(中村頼宗書状)、同二三日桜井藤兵衛に「久田地頭分之内行吉半名友宗名長真分」を与え(同書状)、一方、宇喜多側の斎藤近実は九月一〇日原田兵衛に「久田村之内軽官名」を与えている(「斎藤近実感状」以上いずれも美作古簡集)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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