久良郡(読み)くらきぐん

日本歴史地名大系 「久良郡」の解説

久良郡
くらきぐん

武蔵国の南東に位置し、南西は相模国三浦・鎌倉両郡、北は橘樹たちばな郡と接し、東は海。「和名抄」東急本は「久良支」と訓を付す。意味は倉城であるという(日本地理志料)鮎浦ふくら服田はとだ星川ほしかわ大井おおい郡家ぐんけ諸岡もろおか洲名すなよしはし八郷を管する。現在の横浜市域。安閑天皇元年武蔵国造笠原直使主が大和朝廷に献上した四屯倉のうちの「倉樔」(日本書紀)が倉樹の誤りで、当郡をさしているとするのが通説である。武蔵国分寺跡(現東京都国分寺市)より「久良」あるいは「久」という篦書のある瓦が出土している。「続日本紀」神護景雲二年(七六八)六月二一日条によれば、橘樹郡の飛鳥部吉志五百国が「久良郡」で白雉をとって献上した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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