日本歴史地名大系 「九九五集」の解説
九九五集
くくごしゆう
ほかに稿本類四冊 打田権四郎昌克編
成立 享保年間
分類 地誌
原本 二二冊は国立公文書館
写本 亀山市立図書館
解説 亀山藩領八六(九九五)郷村を中心とする地誌。寛文から享保にかけての民政資料集でもある。打田氏はもと近江国甲賀郡に発する武士で、亀山の関氏に従い近世初期より鈴鹿郡野尻村に土着、本多家の下で代官役を勤め、以後の城主からは大庄屋に任ぜられた。寛永一九年生れの昌克は享保一六年に没するまで、大庄屋在任期間の後も藩の顧問的存在として重用された。その間の施政・財政・宿駅・異国人往来・寺社の由緒や現勢に関する先例・法令を公私の文書・記録に基づいて編纂。近世前半期の藩政を知る基本史料。本書巻六(上・中・下三冊)に収める鈴鹿郡・河曲郡・三重郡八六ヵ村についての記録は、寛文年間に至る村鑑集的な内容をもつが、同種のものに「亀山御領分雑記」(前・後編二冊、三重県立津図書館蔵、享保一五年までの追記あり)・「亀山領細記」(一冊、津市西口嘉男氏蔵)・「亀城兎園記」(一冊、鈴鹿市田上神主家蔵)などがある。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報