精選版 日本国語大辞典 「公私」の意味・読み・例文・類語
おおやけ‐わたくし おほやけ‥【公私】
〘名〙 (「おおやけ」と「わたくし」との意)
① 朝廷に関する物事と、個人に関する物事。こうし。
※源氏(1001‐14頃)賢木「左の大臣も、おほやけわたくし、引きかへたる世の有様に、もの憂く思して」
② 朝廷と民間。朝野。
※宇津保(970‐999頃)国譲中「かくて物し給はば、おほやけわたくし惜しみ聞ゆれば」
③ 表向きとうちわ。公用の物事と私用の物事。
こう‐し【公私】
〘名〙
① おおやけとわたくし。公的なことと私的なこと。また、君公と私。くし。
※続日本紀‐和銅二年(709)一〇月丙申「害二蠧公私一。莫レ過二斯弊一」
※寸鉄録(1606)「公私(コウシ)義理のちがひ、大にかはるぞ」 〔韓非子‐難三〕
② 公田と私田。
※黄葉夕陽邨舎詩‐前編(1812)二・雑詩三首・一「比歳値二水
一、公私多就レ荒」

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