乾漆棺(読み)かんしつかん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「乾漆棺」の意味・わかりやすい解説

乾漆棺
かんしつかん

漆(うるし)塗りの棺で、飛鳥(あすか)時代の古墳に用いられた。木棺を漆塗りにした木芯(もくしん)乾漆棺と、布を漆で固めた脱活(だっかつ)乾漆の夾紵(きょうちょ)棺がある。奈良県の飛鳥と斑鳩(いかるが)、大阪の河内(かわち)飛鳥を中心に出土する。夾紵棺は阿武山(あぶやま)古墳、牽牛子塚(けんごしづか)古墳から出土したほか、天武(てんむ)陵、聖徳太子墓にもこれを用いた可能性が強い。また木芯乾漆棺を使用した古墳に高松塚古墳マルコ山古墳がある。両者の間には、夾紵棺を上位とする身分差があったようである。

[猪熊兼勝]

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