二根(読み)にこん

精選版 日本国語大辞典 「二根」の意味・読み・例文・類語

に‐こん【二根】

  1. 〘 名詞 〙 仏語。
  2. 仏道を修めるに当たってすみやかに果を証することのできる利根と、下劣・遅鈍で容易に証果し得ない鈍根
  3. 勝義根と扶塵根。対象をとらえて識をおこさせるもので、肉体内部の対象をとらえるはたらきをするものが勝義根で、この勝義根のはたらきをたすけ、直接対象とかかわる眼・耳などの五根(五官のこと)が扶塵根。
  4. 男根と女根。すなわち、男性性器と女性性器。
    1. [初出の実例]「欲を思ふものは身なめらかになり、男女の二根に液を流すと説けり」(出典:猿法語(1761)地獄の沙汰)
  5. 一人で男性性器または女性性器を二つ備えていること。また、その人。
    1. [初出の実例]「転女成男にもあらず、又は闡提(せんたい)半月・二根・無根の類にもあらず」(出典:浮世草子・本朝浜千鳥(1707)三)
  6. 眼根と耳根。視覚聴覚との二器官。
    1. [初出の実例]「二根明利なる事むかしにたがはず」(出典:円光大師行状画図翼賛(1703)三七)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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