二次元NMR(読み)ニジゲンエヌエムアル

化学辞典 第2版 「二次元NMR」の解説

二次元NMR
ニジゲンエヌエムアル
two-dimensional NMR

二つの周波数軸( f1f2)に対して,シグナル強度をプロットしたNMRスペクトルを得る方法をいう.測定は,一般には準備期-展開期(t1)-混合期-検出期(t2)に分けられる.準備期は平衡磁化を得る時間,展開期は f1 軸の変調を起こす時間,混合期は磁化移動を起こす時間,検出期は自由誘導減衰(free induction decay:FID)シグナルを検出する時間である.t1 を等間隔で徐々に長くしていきながら多数のFIDシグナルを取り込む.通常の一次元NMRスペクトルを得る場合と同じようにして,t2 軸についてフーリエ変換を行うと,f2 軸についてのNMRスペクトルが多数できる.さらに,t1 軸についてもフーリエ変換を行うことにより,f1f2 の二つの周波数軸をもつ二次元スペクトルが得られる.スペクトルを二次元に展開することにより,いままで重なっていたピークが分離して分解能が向上する.また,二つの周波数軸が同一の場合はピーク間の相関,異なる場合は二つの周波数軸間の相関が得られる.最近では,三次元NMR,四次元NMRなども使われている.[別用語参照]フーリエ変換NMRNOESYCOSY

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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