フーリエ変換NMR(読み)フーリエヘンカンエヌエムアール

化学辞典 第2版 「フーリエ変換NMR」の解説

フーリエ変換NMR
フーリエヘンカンエヌエムアール
Fourier transform NMR

パルスNMRあるいはFT-NMRともいう.磁場中の核スピンにその共鳴周波数をもつ電磁波パルスを照射し,その直後に観測される自由誘導減衰(free induction decay:FID)シグナルフーリエ変換することによりNMRスペクトルを得る方法をいう.平衡状態ではスピン系の磁化は外部磁場と平行の向きをしている電磁波パルスを照射して外部磁場に垂直な面内に磁化を発生させ,この磁化の時間変動であるFIDをシグナルとして観測する.FIDシグナルの検出には位相敏感検出器(phase sensitive detector:PSD)を用いる.現在では,位相は90°異なる2個のPSDを用いるQPD(quadrature phase detection)が主流となっており,得られたスペクトルの中心が実際に用いている電磁波パルスの周波数に相当している.FIDシグナルをデジタル化した後,コンピューターによるデータ処理を行う.ウィンドウ関数をかけ,フーリエ変換を行うことにより,横軸が周波数であるスペクトルが得られる.対比するものとして,連続波(continuous wave:cw)NMRがあるが,特殊な場合を除いて現在では使われていない.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む