二次転移(読み)ニジテンイ

化学辞典 第2版 「二次転移」の解説

二次転移
ニジテンイ
second-order transition

自由エネルギーの二次微分で表現される熱力学的状態量が,ある温度圧力の状態で不連続に変化する場合,その現象を二次転移といい,その温度を二次転移点という.自由エネルギーの一次微分として表される熱力学的状態量,たとえば体積エンタルピーなどは二次転移点では連続的に変化するが,体積,エンタルピーの一次微分(すなわち,自由エネルギーの二次微分量)である体積膨張係数,比熱容量は二次転移点で不連続に変化する.二次相転移を示すものとして,合金結晶中の原子配列の規則化,強磁性体から常磁性への転移,常伝導状態から超伝導状態への転移,液体ヘリウムの超流動状態への転移などがある.ガラス転移では,見掛け上,二次相転移と同じような現象が観察されるが,二次相転移ではなく分子の緩和過程を伴う速度論的転移である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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