二言語主義(読み)にげんごしゅぎ(その他表記)Bilingualism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「二言語主義」の意味・わかりやすい解説

二言語主義
にげんごしゅぎ
Bilingualism

2ヵ国語を国の公用語として定めた言語政策。たとえばカナダでは,公用語法基盤となっている。カナダの二つのおもな建国民族である,イギリス系カナダ人とフランス系カナダ人の共存対立抗争が,国家に独特の性格を与えてきたことをふまえ,英語とフランス語の文化,教育面における平等を原則としている。1963年レスター・B.ピアソン首相は,ケベック州の運動「静かな革命」の影響もあって,カナダにおける二言語,二文化の併存に伴う諸問題を調査するため,二言語・二文化主義に関する王立委員会を任命した。委員会の報告の結果,1968年英語とフランス語をカナダの公用語とする公用語法が提案され,1969年9月より実施された。1982年に制定された権利と自由の憲章では,連邦法廷などにおける英仏二言語サービスの強化,特に行政機構におけるサービスの徹底などに加えて,ニューブランズウィック州を唯一の完全な二言語州とすることや,カナダ全土における少数言語教育権が規定された。近年は多文化主義と併存するにいたっている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android